人は誰でも、「認められたい」という気持ちを持っています。
心理学の世界では、「承認欲求」というようです。
前回批判する人が批判するのはなぜか?という記事を書きました。人は自分と違うものを「批判したくなるものだ」と書きました。
「批判する」けど、同時に「認められたい」という気持ちがあるのですにゃ🐈
「批判する」けど、今度は「認められたい」だなんて、とても矛盾していて、なんて出鱈目なんだろうと思います。
吾輩たちは、なんて傲慢な生き物なんでしょうか?
けれども、そんな矛盾や人の弱さや、出鱈目なところは、いかにも人間らしいとさえ思ってしまいます。
吾輩たちは、いつも移り気で気まぐれで、情けないし、逆にだからこそ面白く、愛すべき人の姿なのかもしれませんにゃ🐈
さて、「承認欲求」があることは、人として生きるモチベーションになるし、何かを成功させたり、何かを継続する時にも役に立ちそうです。
けれども、その「承認欲求」が強すぎると少し問題がありそうですにゃ🐈
「承認欲求」とはどんなものなのでしょうか?
■承認欲求とは?

「承認欲求」とは認められたい感情のことですよね。承認欲求には、「他者承認」と「自己承認」の2つがあります。
まずは、アメリカの心理学者アブラハム・マズロー博士の「欲求5段階説」を見てみましょう。
アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 – 1970年6月8日)は、アメリカ合衆国の心理学者。
「人間の欲求の階層(マズローの欲求のピラミッド)」を主張した事でよく知られている。wikipedia より引用
「マズローの欲求5段階説」とは、アブラハム・マズロー博士が「人間の欲求を5段階の階層で理論化したものですにゃ🐈
マズロー博士は、人間の欲求には段階があると唱えたのです。
マズローの欲求5段階説

1.生理的欲求
2.安全、安心の欲求
3.社会的欲求
4.承認欲求(尊厳欲求)
5.自己実現の欲求
❶生理的欲求
5段層の1番下にある「生理的欲求」は、人が生きていく為の本能的、基本的な欲求ですにゃ🐈
食欲や睡眠欲、排泄欲など生きていくための基本的欲求。
これは「生死がかかわる欲求」のため、もう絶対的な欲求なのです。
❷安心、安全の欲求
「安心、安全な暮らしがしたい」という欲求ですにゃ🐈
「食べる、眠る」という「生きる為の欲求が満たされると、次は「安心して住める場所の確保」や「経済的な安定」「健康維持」などを求めるようになります。
安心、安全を確保して、衣食住の維持を求めるのですにゃ🐈
❸社会的欲求
「生きる為の欲求」を満たし、「安心、安全な生活」が満たされると、次に求めるのは「社会的な欲求」です。
家族や友達、恋人、仲間、同僚、先輩、後輩など社会的な繋がりを求めるのですにゃ🐈
この欲求は、もし満たされなくても生きる上では問題はないけれど、満たされない状態が続くことで、孤独感や社会的な不安を感じることになりそうです。
❹承認欲求(尊厳欲求)
「承認欲求」とは、ひとつは他人から「認めてほしい」「自分が、その集団から 『価値ある存在』と認められ、尊敬されたい」と求める感情のこと。もうひとつは、自分を承認(肯定)すること。今の自分に満足している状態のことなのですにゃ🐈
「他者承認」が強すぎると、他人に認められないと幸せや生き甲斐、自分の価値を見出せなくなるため、常に不安定です。
「他人に認められないと幸せになれない」というのでは、常に他人を気にして生きることになり、とても生きづらいのです。
劣等感が強かったり、情緒不安定な時は「自己承認」が困難だったり、逆に自分を過大評価してしまうという困ったことにもなりそうです。
マズロー博士は、尊重のレベルには二つあり「低いレベルの尊重欲求」は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たす欲求だと言います。
そして、この「低い尊重のレベル」にとどまり続けることは危険だというのです。
「高いレベルの尊重欲求」は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視されます。(この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じるのです。)
❺自己実現の欲求
自己実現の欲求とは、自分の能力や可能性をより発揮する生き方を求めること。
自分の人生を生きること、つまり「自分にしか出来ない唯一の道を歩きたい」という欲求だと思います。
※マズロー博士の欲求5段階説は、「5種類」ではなく「5段階」であるということ。
また、低層の欲求が100%満たされなくても、より高層の欲求を求めたり、或いは低層の欲求を飛び越えてより高層の欲求を求めることもあるようです。
必ずしも、下から順とは限らないのですにゃ🐈
吾輩たちは、普段の生活の中でマズロー博士の唱えた「欲求の5段階」という階段を行ったり来たりしているのです。
❻自己超越の欲求
自己超越の欲求は、マズロー氏が晩年になって提唱したものです。
「自己超越の欲求」とは、他者への無償の愛情や社会的な貢献のことを指します。見返りを求めることもエゴもなく、ただ使命として貢献することに没頭し、自分の道(自分の生き方)を確立して、「自己実現」を果たし、「自己超越」に達する人は極めて少ないようです。
吾輩たちは誰もがみんな「成長」を目指しています。成長には様々な成長がありますが、最終的には「自己実現」から「自己超越」を目指しているように思います。
■他者承認と自己承認

吾輩たちは、誰もが通る道として「承認欲求」という感情を経験します。
「他者承認」の欲求が強すぎると、他人からの承認が得られない時、失望したり、落ち込んだりすることでしょう。
逆に「他者承認」が得られた時は、調子に乗ったり、傲慢になってしまうこともあるかもしれません。
「自己承認」は、自分自身を認めること、今の自分に満足している状態のことでしたね。
他者からの承認がなくても、自分のことを認めて、自分のことを丸ごと受け入れることです。
もし、自分で「自分を認め受け入れることが出来ないと、他者を認め受け入れることも出来ない上に、他者からも受け入れてもらえない」と思います。
自分で「自分を認め受け入れること」ができるようになると、「他者承認欲求」は自然と減少してあまり必要のないものになりそうです。
まずは、自分の「良いところ」も「悪いところ」も丸ごと受け入れることが大切ですにゃ🐈
「自己承認」も強すぎると傲慢になってしまったり、ナルシストになってしまったりするかもしれません。
逆に「自己承認」ができないと、自分自身を卑下したり、自尊心が低く、他者から認められても素直に受け入れることすら出来ないとなってしまいます。
承認欲求は、なかなか厄介な欲求なのですにゃ🐈
アドラー心理学では「承認欲求」を否定しています。
次の記事にアドラーの承認欲求について書きたいと思います。